2025/03/09
みなさんこんにちは。
今から音楽を始めたい超・初心者のための新宿バンドサークル「おとかぞく」代表のひろです。
最近はおとかぞくの人気バンドやプロコースで集客やビジネスを学んでいる皆様の中で「ワンマンライブを経験してみたい!」という会話が増え始めているので、今回はワンマンライブを開催する方法をお伝えします。
まずはライブハウスの料金面を知ろう!
まず、ライブハウスをレンタルするために発生する費用はハコによって異なりますが、キャパ100名程度の規模のライブハウスで土日にワンマンライブを開催するとしたら、20万円前後と考えておくと良いでしょう。
通常の対バン形式のライブでは複数のバンドが集まってこの20万円を支払うわけです。
例えば5バンドで対バンライブを行うとしたら1バンド4万円。
チケットが1枚2,000円とすると、2,000円×20枚で4万円なので、1バンドのチケットノルマは20枚×2,000円ということになります。
5バンド全てがこのノルマを達成できた場合、合計動員数は20人×5バンドで100人。
ノルマを達成できているので全バンド出費(赤字)はゼロということになります。
これを1バンドのみで達成するのがワンマンライブです。
ライブハウスの選び方(キャパと動員力)
まずは無理のないキャパのライブハウスを選ぶことが重要です。
100人しか動員できないバンドが300~400人キャパのライブハウスでワンマンライブを開催すると、客席がガラガラで全然盛り上がらない地獄絵図になってしまいます。
お客様として好きなバンドのライブなので盛り上がりたいし盛り上がってあげたいのですが、やはり客席がガラガラだと盛り上がりにくいのです。
お客様が盛り上がりやすい環境を作って差し上げるためにも、会場は必ず自分達で埋められる規模を選びましょう。
目安としては「キャパの7割は絶対に埋められる自信がある」程度が良いでしょう。
70人は絶対に動員できるのであれば100人キャパ、140人は絶対に呼べるのであれば200人キャパ、30人くらいしか呼ぶ自信がないのであれば50人以下の小さなハコを選ぶ方が妥当です。
無理をして大きなハコでワンマンライブを開催してしまうと、ガラガラの客席+大赤字という大惨事になってしまいます。
ワンマンライブ日程を決めるのは最低でも4か月前!
ワンマンライブでは通常90分~2時間、場合によってはそれ以上の時間をあなたのバンドのみで演奏することになります。
ということは用意する曲数は最低でも15曲、基本的には20曲程度、アンコールなども考えているならより多くの曲が必要となります。
普段5~6曲程度で30分枠のライブを行っているバンドにとっては一気に3~4倍の曲数になるため、それだけでもなかなか大変です。
しかし、ずっと立て続けに曲の演奏ばかりでもお客様も疲れてしまうかもしれないので、途中に長めのMCやゲームコーナーを挟んだり、お客様が飽きないような工夫をしましょう。
そんなわけでワンマンライブの準備は非常に大変です。
ワンマンライブ未経験の方にとっては未知の世界だと思いますので、日程を決める場合は最低でも4か月前にしましょう。
何度もワンマンライブを経験している方であれば2か月前に決定しても間に合うかも知れませんが、曲の練習や集客、その他もろもろの準備をするためには4か月前に決定するのがちょうどいいと思います。
「集客できませんでした」が通用しない
ワンマンライブの怖いところは何と言っても「集客できませんでした」が通用しないことです。
通常の対バン形式のライブであれば、他のバンドのお客様がいてくれたり、出演者同士でもお互いのライブを見合ったりするため、自分たちのバンドのお客様がゼロでも客席には人がいて、ライブの形になったりすることも多々あります。
しかし、ワンマンライブではそうはいきません。
出演者は自分達のみですし、他のバンドのお客様も一切いないからです。
あなたのバンドのメンバーが5人で、ワンマンライブに100人のお客様を集めたい場合には、単純計算で1人20人呼んでくる必要があります。
バンド内での作戦会議では「よし!絶対1人20人ずつ呼ぼう!」と決意し合ったとしても、結果的に「ごめん!やっぱり呼べなかった」「オレは3人しか来ない」ということになってしまうと、100人キャパのハコに20~30人しかお客様がいないという地獄絵図になります。
さらに、約70人分のチケットが余っているわけですから、2,000円×70人で14万円の赤字を被ることになります。
その赤字をメンバー全員で割るのか、それとも集客に貢献できなかったメンバーが負担するのか、メンバーの関係性にも悪影響を及ぼします。
しかし、大抵の場合、バンド内で集客力があるのは1人か2人です。メンバー全員が均等に集客力を持っているというケースは非常に稀であるように感じます。
かといってその集客力のあるメンバーに動員を任せるのではなく、バンドアカウントなどを作って事前にファンをたくさん作り、全員の力で動員するのが理想的と言えます。
目安としてはSNSのフォロワーの1%です。100人フォロワーがいるアカウントであれば1人がライブに来る可能性がある、1万人フォロワーがいるアカウントであれば100人くらいはライブに来てくれるだろうと考えて問題ないと思います。
※もちろんフォロワーの属性はオーガニックに限ります。相互フォローなどで無理やり獲得したフォロワーは自分達に興味がないので、オーガニックのフォロワーの1%が動員に繋がると考えてください。
本番が近づくにつれて胃が痛くなる
4か月前にワンマンライブの日程を決め、「1人20人ずつ集客しよう!」と決起集会を行い、「さぁ初のワンマンを成功させるぞ!」と意気込んで練習や準備を開始したものの、本番が近づくにつれてどんどん不安になってきます。
その原因は言うまでもなく、「本当にお客さんが来てくれるのだろうか?」という一点につきます。
4か月前ならまだ余裕がありますが、残り1か月を切ったのにまだ半分しか予約が入っていない!3か月かかってやっと半分の50枚なのに、残り1か月であと50枚分も予約が入るのだろうか?
そんな心配をよそに、今までに予約してくれていたお客様から「ごめん!やっぱり行けなくなった!」などの連絡が入り始めます。
もちろん当日になってドタキャンする方や、キャンセルもせず無断で来ない人もきっと出てきます。
そんな心配を抱えていると練習にも集中できませんし、新曲を作るにもアイディアが浮かびません。
既に多くの予約を獲得しているメンバーは、まだ予約を取れていないメンバーに腹が立ち始めますし、逆に予約の取れていないメンバーは予約の取れているメンバーに申し訳なくなり、合わせる顔がなくなっていきます。
これは別にみなさまを不安にさせたいとかワンマンライブを諦めさせたいからお伝えしているわけではなく、「ワンマンライブとはこういうもの」ということをご理解いただきたく思っています。
これを不安を越えてこそのバンドマン、そしてワンマンライブなのです。
ワンマンライブを開催するための唯一の方法
そんな大変なワンマンライブですが、開催するための方法はたった一つです。
それは今すぐライブハウスに電話して「〇月〇日にワンマンライブをやらせてください!」と言うことです。
こうなったらもう後には退けません。
練習が間に合うかな?ではなく、間に合わせるしかないのです。
新曲ができるかな?ではなく、作るしかないのです。
お客さん来てくれるかな?ではなく、間違いなく動員するしかないのです。
そんな不安を越えワンマンライブを成功させると、バンドマンとしての格が上がります。
私の持論では「ワンマンライブを2回成功させたら本物のバンドマン」です。
バンドマンの格
散々不安をあおるようなことをお伝えしてきましたが、実は初めてのワンマンライブ開催はそうハードルの高いものではありません。
私たちバンドマンにとってだけでなく、まわりの友達や家族、メンバーの恋人や当分会っていない旧友などにとっても、ワンマンライブという存在は特別だからです。
知り合いに片っ端から連絡すれば、「あいつがワンマンライブをやるらしいぞ!」と珍しがって友達や家族が見に来てくれたりするので、初のワンマンライブというのは意外と集客がしやすいものなのです。
※過去におとかぞくではレッスン生の方が組んだバンドのワンマンライブを4回開催していますが、中には「メンバーのよく行く居酒屋のおっちゃん」などもお客様として来てくれていました笑
しかし、先ほどもお伝えした通り、私の持論では「ワンマンライブを2回成功させたら本物のバンドマン」です。
1回目のお祭り感がなくなり、あなたのバンドのファンではないただの友達などは2回目からは来てくれなくなります。
つまり純粋なファンのみで客席を埋める動員力が必要となるわけです。
これが出来たら一人前のバンドマン、そして本物のバンドマンと言えます。
ゴルフを例に挙げると、打ちっぱなしに何度か行ったことがあるだけの人を「ゴルファー」と呼ぶでしょうか?
私はゴルフをやらないので分かりませんが、恐らくゴルファーとはホールを回っている人のことを指します。
ボクシングを例に挙げると、ダイエット目的でジムに通い、サンドバッグを打ったりシャドーボクシングをしているだけの人を「ボクサー」と呼ぶでしょうか?
おそらくスパーリング(実戦形式の本気で殴り合う練習)や試合を経験したことのある人を「ボクサー」と呼ぶのではないでしょうか?
コピーバンドのライブで友達をお客様として呼んでいるうちはまだまだ「バンドごっこ」です。
本物のバンドマン、もしくはバンド活動とは、自分たちの曲やパフォーマンスで誰かを笑顔にしたり勇気づけたりすることを目的に、集客・動員面でもしっかりと結果を出し、対バン形式ではなく自分達だけのお客様で埋まったワンマンライブを、お祭り感の抜けた最低2回以上成功させている人のことだと私は考えます。
ワンマンライブの開催および成功は決して楽な道のりではありませんが、実際にやってみると非常に楽しくやりがいのあるものですので、ぜひ勇気を出して取り組み、成功を収めてください。